よくある質問Q&A

Q1

健診で血尿(尿潜血)を指摘されました。どうしたらいいですか?

尿潜血は尿中に血(赤血球)がもれ出ている可能性がある状態です。病気のない方は、通常尿中に血がでることはありません。健診で行う尿検査は、試験紙の色の変化で判断するため、実際に血が尿にもれ出ていないこともあります。そのため本当に尿潜血陽性が血尿なのかを確かめる詳しい検査を行う必要があります。 血尿は、尿を作る腎臓や尿の通り道の病気のサインになります。血尿には尿が赤褐色をしているなど、目でみて判断できる「肉眼的血尿」と、目でみてはわからないものの、顕微鏡で直接赤血球を確認する尿検査(尿沈渣)によってわかる「顕微鏡的血尿」があります。また血尿の原因には、糸球体腎炎のように腎臓からの出血によるものと、尿路結石や膀胱癌のように尿の通り道である腎孟、尿管、膀胱、尿道からの出血によるものに大きく分けることができます。前者は主に腎臓内科、後者は泌尿器科が専門としています。血尿に加えて、尿に蛋白も混じっている場合は糸球体腎炎が疑われ、腎臓の組織を採取する腎生検という詳しい検査が必要になることがあります。尿の通り道からの出血が疑われる場合は、尿に悪い細胞(癌細胞)が混じっていないか調べます。
健診で血尿(尿潜血)を指摘された場合には、症状がないからと放っておかず、早めに受診することが重要です。また女性では生理の影響があるときもありますので、生理の時期を外して検査(受診)をしましょう。

Q2

健診で尿蛋白を指摘されました。どうしたらいいですか?

蛋白尿は尿の中に蛋白がもれ出ている状態です。健康な人の尿にも微量の蛋白は含まれていますが、1日に0.15g以上出ていると蛋白尿と診断されます。健診で尿蛋白を指摘された場合には、それが一時的で病的意義のない良性の蛋白尿か、病的な蛋白尿であるかを鑑別する必要があります。そのため早めに専門医を受診することが重要です。
良性の蛋白尿には、起立性蛋白尿、運動後や発熱時の蛋白尿があります。病的な蛋白尿には、腎臓病に伴う蛋白尿などがあります。血尿と蛋白尿を同時に認める場合には腎炎の可能性が高くなります。
良性蛋白尿か病的蛋白尿かの判断は、採尿時の状況の確認が必要です。運動後、発熱、月経などの状況があれば、それらの要因を除くために、別の日に再検査したり、起床時と来院時の尿を検査したりします。起床時の尿と来院時の尿を比べることで起立性蛋白尿の判断ができます。また、再検査するときには、試験紙による尿検査だけでなく、実際にもれ出ている尿蛋白量を測定する検査(尿蛋白定量)を行うことによって正確な蛋白尿を把握する必要があります。

Q3

検診で慢性腎臓病と診断されました。透析になってしまうのでしょうか?

慢性腎臓病とは、腎臓が慢性的に障害されている状態、すなわち〝腎臓が悪い″患者さんを包括的に捉える診断名です。具体的には、腎臓の排泄機能が慢性的に低下しているか、持続的な蛋白尿が存在することをもって慢性腎臓病と診断します。
日本には現在約1,330万人もの慢性腎臓病患者さんがいると推測されていますが、これほど多くの患者さん全員が透析になるわけではありません。ごく一部の患者さんが進行して、透析や腎移植など腎臓の代替となる処置が必要になってしまうのです。
ではどのような場合に病気が進行する可能性が高いかというと、注目点は2点で、蛋白尿がある場合と、eGFRという腎臓排泄機能の指標が低い場合です。従って、蛋白尿が明らかに持続している方や、eGFRが45未満の方は、腎臓専門医への受診をお勧めします。

Q4

腎臓病の患者は、安静にした方がいいですか?

かつては、腎臓が悪い患者さんには安静をとるように生活指導がなされていた時期がありました。しかし、最近腎臓病と運動との関係についていろいろなことが判ってきました。
小児の糸球体腎炎やネフローゼ症候群において、運動による蛋白尿増加や、腎機能悪化の証拠は得られていません。むしろ過度の安静は、生活の質を低下させ、運動耐用能を低下させることがわかってきました。
成人の慢性腎臓病の悪化原因になる、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)に対して運動療法は有効です。また、腎臓そのものに対しても、運動することにより腎機能の低下速度を遅くする、または腎機能を改善させる効果があることが報告されるようになってきました。運動しても腎機能は変化しないとの報告もありますが、少なくとも、腎機能が悪化することはないようです。
更に、慢性腎臓病患者さんは、心筋梗塞、脳卒中などの心臓血管疾患の予備軍でもあり、運動はそれに対する予防効果もあります。
また、慢性腎臓病患者さんは高齢者に多く、筋肉量が減少しやすいので、筋肉を維持するためにも適度な運動を継続して実施することを勧めます。

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