慢性腎臓病(CKD)

CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の障害(蛋白尿などの尿所見異常)、もしくは腎機能低下が3カ月以上持続するものすべてをいいます。原因は様々ですが、糖尿病、高血圧症、慢性糸球体腎炎が代表的です。
治療の柱は、腎機能低下の進行を遅らせる、腎臓の機能を補助する、の2つがあります。

腎機能低下の進行を遅らせる

腎機能低下の進行を遅らせる治療としましては、生活習慣病の管理及び生活習慣の改善、食事療法、薬物療法となりますが、一番影響が大きいのが生活習慣病の管理及び生活習慣となるため、厳格な自己管理が重要となります。
当院では、医師による外来での指導と薬物療法に加え、外来にて看護師・管理栄養士からの教育的指導を行っています。また、テーマを変えて年3回程度の腎臓病教室を開催しています。病院内の様々な職種からの講義と、補助となる食品サンプルなどの展示ブースを設けており、これらを通じて慢性腎臓病の理解を深めるよう努めています。

薬物療法として最も重要なのは血圧管理ですが、腎臓病の病期に応じた最適な降圧薬の選択に努めています。また、最近では、腎保護作用が明らかになってきた糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬を、適応となる患者さんに積極的に使用しています。(ドクターコラム参照

腎臓の機能を補助する

続いて残念ながら慢性腎臓病が進行して、腎機能が低下してくると腎臓の働きを補う治療が必要となってきます。
腎臓の働きには、尿毒素(体で要らなくなったもので、尿から排泄される物質)や水分を尿として体の外に捨てている以外に、血液を作るホルモンの分泌、電解質(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなど)のバランスの維持、ビタミンDを活性化して骨を丈夫に保つ働き、体内を中性(腎機能が低下すると酸性になります)に保つ機能などがあります。腎臓が障害されるとこれらの働きが悪くなるため、内服や注射で機能を補助します。ただし、腎機能低下が著しくなるとこれらの補助する治療にも限界があり、腎臓の代わりとなる腎代替療法(腎移植・腹膜透析・血液透析)が必要になってきます。

当院は、すべての腎代替療法に対応可能な施設であり、患者さんにとって安心安全な透析医療が受けられるよう地域医療にも力を入れ、透析導入後も近隣の透析施設や在宅医療機関との連携を構築しています。