血漿交換療法は全身の血液から、血液透析療法と同様に体外に血液を循環させて、血漿成分を分離し、病気の原因となる物質を除去する療法です。
単純血漿交換療法、二重膜濾過血漿交換法、免疫吸着法の3種類があります。
膜型血漿分離器を用いて血液から血漿を分離し、血漿中に存在する病因関連物質などを廃棄し、同等量の新鮮凍結血漿(FFP)またはアルブミン水溶液を補充します。
膜型血漿分離器を用いて血液から血漿を分離し、血漿中に存在する病因関連物質などを除去するために二次濾過膜を通過させます。二次濾過膜を通過できない物質は除去され、通過できる物質は体内に戻されます。低アルブミン血症予防にアルブミン水溶液を補充します。
膜型血漿分離器を用いて血液から血漿を分離し、血漿中に存在する病因関連物質などは各種吸着器にて除去され体内に戻されます。
LDL吸着療法、免疫吸着療法があり、詳細は別項をご参照下さい。
診療領域 | 疾患 | 血漿交換の種類 | |
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消化器 肝・胆・膵 | 急性肝不全 | PE | DFPP |
劇症肝炎 | PE | DFPP | |
術後肝不全 | PE | DFPP | |
同種肝移植 | PE | DFPP | |
リウマチ・膠原病 | 悪性関節リウマチ | PE | DFPP |
全身性エリテマトーデス | PE | DFPP | |
腎 | 同種腎移植 | PE | DFPP |
抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)型 急速進行性糸球体腎炎 |
PE | DFPP | |
ANCA関連血管炎(重症例・治療抵抗例) | PE | DFPP | |
溶血性尿毒症症候群 | PE | ||
神経 | ギラン・バレー症候群 | PE | DFPP |
重症筋無力症 | PE | DFPP | |
多発性硬化症 | PE | DFPP | |
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 | PE | DFPP | |
血液 | 血栓性血小板減少性紫班病 | PE | |
皮膚 | 中毒性表皮壊死症(TEN) | PE | DFPP |
天疱瘡 | PE | DFPP | |
類天疱瘡 | PE | DFPP | |
重度血液型不適合妊娠 | 重度血液型不適合妊娠 | PE | DFPP |
PEで置換液に新鮮凍結血漿を用いた場合、感染・アレルギーなどが起こる危険性があります。
PE、DFPPで置換液にアルブミン水溶液を用いた場合、凝固因子や正常免疫グロブリンが低下し、出血や感染の危険性が高くなります。